【マーケットブリーフィング】2025年6月度 首都圏 中古住宅市場動向レポート
このレポートは、公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)が2025年7 月10日に発表した「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2025年6月度」に基づき、首 都圏(1都3県)の中古マンションおよび中古戸建住宅市場の主要な動向を投資家向けにま とめたものです。
市場概況サマリー
2025年6月度の首都圏中古住宅市場は、中古マンション、中古戸建住宅ともに 成約件数が大 幅に増加し、活発な取引が継続 しています。特に中古マンションは、成約㎡単価が長期にわたり上昇を続け、高水準で推移しています。一方で、中古戸建住宅の成約価格は2ヶ月ぶり に下落に転じるなど、価格面では異なる動きが見られます。
1.首都圏 中古マンション市場の動向
中古マンション市場は、需要の強さが継続していることを示すデータが多数見られます。
● 成約件数:4,299 件
○ 前年同月比 プラス 31.9%と大幅に増加 し、 8ヶ月連続の増加 となりました。市場の取引が非常に活発であることが示唆されます。
○ 地域別に見ると、東京都区部が1,969件で前年比プラス28.9%(6ヶ月連続増 加)、多摩が391件で同プラス34.8%(8ヶ月連続増加)、横浜・川崎市が 698件で同プラス30.5%(8ヶ月連続増加)、神奈川県他が305件で同プラス 70.4%(8ヶ月連続増加)、埼玉県が509件で同プラス47.1%(9ヶ月連続増 加)、千葉県が427件で同プラス12.1%(20ヶ月連続増加)と、 すべての地 域で成約件数が継続して増加 しています。
● 成約㎡単価:83.34 万円/㎡
○ 前年同月比 プラス 6.9%と上昇 し、2020年5月以降 62ヶ月連続で上昇 を続け ています。この単価は、1990年10月の水準(83.50 万円/㎡)とほぼ同水準で 推移しており、価格が高止まりしている状況です。前月比ではマイナス0.9% とわずかに下落しました。
○ 地域別では、 東京都区部が129.19万円/㎡で前年比プラス14.8%と、62ヶ月連 続で上昇 しています。一方で、横浜・川崎市(同マイナス2.0%、5ヶ月連続 下落)や神奈川県他(同マイナス8.8%、7ヶ月連続下落)、千葉県(同マイ ナス9.8%、2ヶ月ぶり下落)では下落が見られ、都心部と郊外で異なる価格 動向を示しています。
● 成約価格:5,209 万円
○ 前年同月比 プラス 5.1%と上昇 し、 8ヶ月連続の上昇 となりました。ただ し、前月比では1.9%の下落となっています。
● 専有面積:62.50 ㎡
○ 前年同月比 マイナス 1.7%と縮小 し、 7ヶ月連続で縮小傾向 にあります。これ は、高騰する価格に対応するため、よりコンパクトな物件が選好されている 可能性を示唆しています。
● 在庫件数:44,428 件
○ 前年同月比 マイナス 0.7%と減少 しており、2024年5月以降 14ヶ月連続で減 少傾向 にあるものの、ほぼ横ばいの状況です。これは、活発な成約件数に対 して供給が追いついていない、あるいは抑制されている状況を示しており、 市場の引き締まりを背景とする価格高止まりの一因と考えられます。
2.首都圏 中古戸建住宅市場の動向
中古戸建住宅市場も取引は活発ですが、価格面では変動が見られます。
● 成約件数:1,943 件
○ 前年同月比 プラス 49.2%と大幅に増加 し、 8ヶ月連続の増加 となりました。 中古マンションと同様に、取引が非常に活発であることを示しています。
○ 地域別に見ると、東京都区部が354件で前年比プラス28.7%(18ヶ月連続増 加)、多摩が255件で同プラス40.9%(8ヶ月連続増加)、横浜・川崎市が 270件で同プラス63.6%(8ヶ月連続増加)、神奈川県他が232件で同プラス 55.7%(8ヶ月連続増加)、埼玉県が446件で同プラス73.5%(8ヶ月連続増 加)、千葉県が386件で同プラス40.4%(6ヶ月連続増加)と、 すべての地域 で成約件数が大きく増加 しています。
● 成約価格:3,937 万円
○ 前年同月比 マイナス 1.9%と下落 し、 2ヶ月ぶりの下落 となりました。活発 な取引件数とは対照的な動きであり、投資家にとっては注意が必要です。た だし、前月比では1.5%上昇しています。
○ 地域別では、東京都区部(同プラス0.8%、2ヶ月連続上昇)、多摩(同プラ ス9.6%、2ヶ月ぶり上昇)、埼玉県(同プラス8.2%、8ヶ月ぶり上昇)で価 格上昇が見られましたが、横浜・川崎市(同マイナス0.7%、5ヶ月連続下 落)、神奈川県他(同マイナス7.7%、4ヶ月連続下落)、千葉県(同マイナ ス4.5%、4ヶ月連続下落)では価格下落が継続しています。
● 土地面積:144.36 ㎡
○ 前年同月比 マイナス 1.7%と縮小 し、 3ヶ月ぶりの縮小 となりました。前月 比でも0.9%縮小しています。
● 建物面積:103.59 ㎡
○ 前年同月比 マイナス 0.7%と縮小 し、ほぼ横ばいながら 2ヶ月ぶりの縮小 と なりました。前月比はほぼ横ばいです。
● 在庫件数:23,341 件
○ 前年同月比 プラス 7.9%と増加 し、2022年9月以降 34ヶ月連続で増加 してい ます。増加率は縮小傾向にあるものの、中古マンションとは異なり、在庫が 増加傾向にあることが示されており、供給に余裕が出つつある可能性を示唆 しています。
投資家への示唆
● 取引市場の堅調な拡大:
首都圏における中古マンション、中古戸建住宅の成約件数 はともに 大幅な増加 を続けており、住宅市場全体の 旺盛な需要と流動性の高さ が確 認できます。これは、不動産流通市場への投資機会が拡大していることを意味しま す。
● 中古マンション市場の強固な価格上昇トレンド:
中古マンションは、特に都心部を 中心に 成約㎡単価が長期にわたり上昇を継続 しており、安定したキャピタルゲイン を期待できる可能性が高いです。専有面積の縮小傾向は、市場が高価格帯に適応し ようとしている動きと解釈できます。供給が横ばい傾向にある中で(在庫件数ほぼ 横ばい)、需要が価格を押し上げている状況が続くと考えられます。
● 中古戸建住宅市場の価格変動への留意:
中古戸建住宅は、取引件数が増加している 一方で、 成約価格が直近で下落に転じた 点に注目が必要です。これは、地域差や物 件属性(築年数、面積など)による価格の二極化、あるいは価格に対する買い手の 抵抗感が表れている可能性があります。在庫件数の継続的な増加も価格への影響要 因となりえます。
● 地域ごとの動向把握の重要性:
両市場ともに、東京都区部や多摩エリアでは価格が 上昇している一方で、神奈川県や千葉県の一部では価格下落が見られるなど、 エリ アごとの市場特性が明確に異なっています 。投資戦略を検討する際は、より詳細な 地域別の動向を把握することが不可欠です。
本レポートが、貴社の投資判断の一助となれば幸いです。
このレポートは、公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)が2025年7 月10日に発表した「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2025年6月度」に基づき、首 都圏(1都3県)の中古マンションおよび中古戸建住宅市場の主要な動向を投資家向けにま とめたものです。