【マーケットブリーフィング】 2025年7月度 ⽉例速報マーケットウォッチ
本レポートは、公益財団法⼈東⽇本不動産流通機構(東⽇本レインズ)が発表した、⾸都圏(1都3県)および札幌市‧仙台市における2025年7⽉度の不動産流通市場の動向をまとめた
ものです。中古マンションと中古⼾建住宅に焦点を当て、成約件数、価格、㎡単価、専有⾯積、築年数などの主要指標の動向を分析しています。
1. ⾸都圏中古マンション市場の動向
● 成約件数の増加が継続:
○ 成約件数は3,979件で、前年同⽉⽐24.6%増と9ヶ⽉連続で増加している。
● 成約㎡単価の連続上昇:
○ 成約㎡単価は85.47万円/㎡で、前年同⽉⽐8.2%増と2020年5⽉から63ヶ⽉連続で上昇。1990年9⽉以来の⾼⽔準(85.50万円/㎡)に達した。前⽉⽐も 2.6%上昇。
● 成約価格の上昇が継続:
○ 成約価格は5,303万円で、前年同⽉⽐5.0%増と9ヶ⽉連続で上昇している。前⽉⽐も 1.8%上昇。
● 専有⾯積の縮⼩:
○ 成約専有⾯積は62.05㎡で、前年同⽉⽐3.0%減と8ヶ⽉連続で縮⼩している。前⽉⽐もマイナス 0.7%。
● 在庫件数の増加:
○ 在庫件数は44,689件で、前年同⽉⽐0.4%増とほぼ横ばいながら 24 年 4 ⽉以来15 ヶ⽉ぶりに増加。
● エリア別動向(中古マンション):
○ 東京都区部: 成約件数、成約㎡単価ともに⾼い伸びを⾒せ、特に㎡単価は132.16万円/㎡で前年⽐プラス 11.6%と 20 年 5 ⽉から 63 ヶ⽉連続で上昇
○ 東京都多摩: 成約件数は増加しているものの、成約㎡単価は3ヶ⽉ぶりに下落した(前年⽐マイナス5.2%)。
○ 神奈川県(横浜‧川崎市): 成約件数‧㎡単価ともに上昇。横浜‧川崎市は㎡単価が67.30万円/㎡で同プラス 8.0%と 6 ヶ⽉ぶりに上昇
○ 埼⽟県‧千葉県: 成約件数は増加しているものの、埼⽟県は㎡単価が2ヶ⽉ぶりに下落(前年⽐マイナス1.5%)。千葉県は㎡単価が2ヶ⽉ぶりに上昇(前年⽐プラス1.7%)。
2. ⾸都圏 中古⼾建住宅市場の動向
● 成約件数の増加が継続:
○ 成約件数は1,771件で、前年同⽉⽐42.1%増と9ヶ⽉連続で増加している。
● 在庫件数の増加が継続:
○ 在庫件数は23,469件で、前年同⽉⽐7.7%増と35ヶ⽉連続で増加している。ただし、増加率は縮⼩傾向にある。
● 成約価格はほぼ横ばい:
○ 成約価格は3,911万円で、前年同⽉⽐0.3%増とほぼ横ばいながら2ヶ⽉ぶりに上昇した。前⽉⽐はマイナス0.7%。
● ⼟地⾯積‧建物⾯積の拡⼤:
○ ⼟地⾯積は151.10㎡で前年同⽉⽐7.7%増、建物⾯積は104.40㎡で前年同⽉⽐0.7%増と、ともに2ヶ⽉ぶりに拡⼤した。
● エリア別動向(中古⼾建住宅):
○ 全地域で成約件数が増加: 東京都区部、多摩、横浜‧川崎市、神奈川県他、埼⽟県、千葉県すべてで成約件数が⼤幅に増加している。特に埼⽟県は「前年⽐プラス 60.4%と 9 ヶ⽉連続で増加」と顕著。
○ 成約価格は地域差:
東京都区部‧横浜‧川崎市: 成約価格が上昇。東京都区部は「7,230万円で前年⽐プラス 9.9%と 3 ヶ⽉連続で上昇」。
東京都多摩‧埼⽟県‧千葉県‧神奈川県他: 成約価格は下落またはほぼ横ばいの傾向が⾒られる。
3. 札幌市‧仙台市 中古マンション‧⼾建住宅市場の動向(参考情報)
● 札幌市 中古マンション:
○ 成約件数は前年同⽉⽐17.6%増と増加傾向。
○ ㎡単価‧価格も⼤幅に上昇しており、特に㎡単価は「34.59万円/㎡で前年同⽉⽐ 22.3%」の上昇を⾒せている。
● 仙台市 中古マンション:
○ 成約件数は前年同⽉⽐7.1%増。
○ 価格は前年同⽉⽐2.9%増、㎡単価も前年同⽉⽐1.9%増と上昇傾向にある。
● 札幌市 中古⼾建住宅:
○ 成約件数は前年同⽉⽐11.1%増。
○ 価格は前年同⽉⽐2.2%増とわずかに上昇している。
● 仙台市 中古⼾建住宅:
○ 成約件数は前年同⽉⽐8.9%増。
○ 価格は前年同⽉⽐14.0%増と⼤きく上昇している。
—–総括
2025年7⽉度の⾸都圏不動産流通市場は、中古マンション、中古⼾建住宅ともに成約件数が継続して増加しており、活況を呈している。
特に中古マンションの成約㎡単価は63ヶ⽉連続上昇という顕著な傾向を⽰し、バブル期以来の⾼⽔準に達している。
⼀⽅で、専有⾯積の縮⼩や、中古⼾建住宅の成約価格が地域によって下落しているなど、細部に多様な動きが⾒られる。
在庫件数も増加傾向にあり、市場の供給状況にも変化が⾒られる。札幌市‧仙台市でも同様に成約件数の増加や価格上昇が⾒られ、
主要都市圏全体で不動産流通市場が活発化していることが⽰唆される。